Ericの心相数お便り · 005 · 2026.07.05
たまに、本気でもないのに、感性が狂ったのか、付き合いたいとかガキのようなことを言い出して付き合ってみたことがあった。
手を繋いだり一緒に海に行ったりしていたけど、全然盛り上がらなかった。手の長さは合わせられない。運命は我が手にありてって違う?それでも付き合って欲しいとか言ったっけ。
ああ若者よ!馬鹿者だった。
だからって今では賢者になった訳じゃない。
思い出すと、恥ずかしいことったらなかった。
もしも、どこかで再会したら?
待てよ、名前は?綺麗さっぱりあの海に生き埋めで沈めさせたとしか思えない。
思・い・だ・せ・ない。
それだから、誕生日も覚えていないし、心相数なんてあの当時はまだ知らなかった頃だった。相性なんて心相数で判定しなくても、海で握ったあの手で今のこの掌中でもう分かりきっている。
合・わ・な・い。
それでも好きだと思ったことは何故だったんだろう。
どこか好きだった気持ちは3ミリでもなかったのか?1ミリじゃ判断しかねる。
ひねくれて認めたくなかった今の強がりだけなのか?あるいはタイミングというものはあの時に合わなかっただけなのか?
話の続きがあって、続けて良いのかな。
続ける。
そこでまた別の女の子に告った訳さ。もちろん速攻フラれた。全然気持ちがないのは伝わったことだろう。今思えば、あの頃は何故かサイアクの自分としか思えなかった。
何故あんなに「付き合いたい」という欲望の翼に羽ばたかせたかったのだろうねえ。狂った少年としか言いようがない。大学生だったけど。
人間は独りで生まれて独りで死んでいくと思っている。だから、孤独だと思わない。幼い頃から両親に死なれ、高校を終えて集団で海外に行くのではなく、駐在員の個人ヘルパーというビザを持って日本にやってきた身としては、平然と孤独をリュックサックに載せてチャリを漕いで颯爽とこの世を駅前に置いてけぼりしてどこにでも去り行けるはずだと思っている。もしくは思っていた。何があったんだろう。
何かに突き動かされていたのだろうか?
私は私を知らない。根本的には自分を知らないと感じたのは、人間がどん底に落ちていた時に限る気がする。
数々の好きだった子たちの顔を想い出すことができる。だが、一人として名前を想い出せない。オーマイガッ!と叫ぶのにもあまりにも無関心すぎて、私は一体好きだった子はいたんだろうか?
私はもしかしてあの人しか好きになれていないのか。
謎解きの旅に出たい気分である。しかし、どこに向かっていくべきかそれさえ導く糸がまるでない。
シンガポールに行けば、海に赤道が見える。赤い糸があるのか?
彷徨える仔羊は、むやみにどこかに出かけたい。そう思う。
— Eric

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